エンジンオイルの規格と品質
自動車のエンジンは精密にできた金属の集合体であり、
ピストンやロータリーが一分間に数千回転も運動します。
そのためエンジンの劣化や摩耗を防ぎスムーズな働きをキープするうえで
エンジンオイルの存在が不可欠となります。
自動車関連のショップ等では使用する燃料やエンジンの特徴に合わせた
エンジンオイルが所狭しと並んでいますが、
そのなかから愛車に合ったものをセレクトするうえで
知っておきたいことはエンジンオイルの規格です。
品質規格の代表的なものは、アメリカ石油協会による
API規格や国際潤滑油標準化認定委員会によるILSAC規格、
さらには日本のJASOなどがあげられます。
いっぽうオイルの粘度を表す規格としては、
アメリカの非営利団体が定めたSAE規格があります。
そして環境問題に厳格な日本では、
ディーゼルエンジン用のオイルにかんして
2000年の秋から「DH−1」という独自規格を定めています。
いずれにしましてもオイルを作るときの製法を含めた特徴に合わせて
記号や数値で細かく分類されており、エンジンの特性のみならず、
愛車を使用する環境ならびにドライビングスタイルとマッチした
オイルをセレクトするうえで大事な指標となります。
自動車にとってのエンジンは、言うまでもなく心臓部。
こまめなエンジンオイルの交換により耐久性が向上するだけでなく、 故障の原因を未然に防ぐことができます。
そこで気をつけておきたいことは、 愛車に適合した特徴および品質をもったエンジンオイルのタイプを購入前に調べておくことです。
各自動車メーカーでは、販売車両に適合したエンジンオイルを指定しており、 愛車に付属している説明書のなかでも記載されています。
基本的にはメーカー指定のタイプをベースとして、 使用する地域の環境や気候、 さらには求めるエンジン特性に合わせてエンジンオイルを選びましょう。
品質的には鉱物油が最もリーズナブルであり、 これに化学合成油や水素化精製油を混合した部分合成油が 鉱物油の次に高いグレードとなり、 ナフサや天然ガスなどを化学合成したものを100パーセント使用した 化学合成油が最高級グレードとなります。
また粘度にかんしては、燃費や寒冷地での始動性を考慮する場合、
柔らかい粘度のオイルが適し、高回転を維持しスポーティーなドライビングを楽しみたい場合、
エンジンが高温時でも硬さを保つタイプを適します。
SAE規格においては、低温時と高温時の両方における粘度が表示されるため、
低温時と高温時の数値に差があればあるほど、
さまざまな環境や走行条件に対応するオイルといえます。