ディーゼル車用のエンジンオイルの特徴

ディーゼルとガソリンの違いについて

高いトルクを発生させるのが得意なディーゼルエンジンの燃料は軽油であり、 いっぽう高い出力を発生させるのが得意なガソリンエンジンの燃料は ガソリンであることは周知の事実。

ガソリンに加えて低価格でもあり粘り強いエンジンとされるディーゼルは 主にバスやトラックなどの業務用車両に使われてきましたが、 近年では環境性能が向上していることから、 一般的な自家用車にも採用されるケースが増えています。

そこで、軽油とガソリンという燃料の性質を端的に言い表すとすれば、 軽油は熱を加えたときの着火つまり自然発火が発生しやすく、 ガソリンは炎に対して引火しやすく揮発性が高いという特徴があります。

原油から精製するさいの違いによるものですが、 軽油には硫黄が含まれており、 燃焼すると硫黄酸化物になってエンジンの内部を腐食させる原因となります。
そのため酸の発生を抑えるためにアルカリ成分の酸化防止剤を添加することが必要となります。
またディーゼルエンジンは燃焼中に「すす」を発生させるため、 清浄分散剤の配合比率もガソリンオイルと異なるといった特徴をもたらします。
そのためディーゼル用のエンジンオイルをガソリンエンジンに使用することは可能ですが、 その逆はタブーであり専用のオイルでなければなりません。


専用オイルでエンジンや環境にもプラス

昨今ではディーゼルエンジンの構造にも変化があらわれています。
その一番の特徴はガソリンエンジンに比べて高い圧縮比でしたが、 そのために不均一な燃料が起こってしまい有害物質を発生させてしまうことから、 よりガソリンエンジンに近い圧縮比まで下げることによって環境にも貢献しています。
こういったエンジンそのものの改善のみならず、 これまでは業務用車両で採用されることが多く、 廉価なエンジンオイルが主流だったディーゼル車専用タイプにおいても 大きな変化がおとずれています。
特にディーゼルに対して高い環境性能を求められる日本では、 独自のエンジンオイル規格である「DH規格」が定められています。
この規格に適合したエンジンオイルを使用することで、 従来の規格のものに比べてピストンの清浄性能がしたり、 オイルの蒸発損失が減少するといった特徴があります。
さらには泡立ち防止性能やオイルシールの劣化防止、 そして燃えかすを抑制させるといったエンジン性能のみならず環境への配慮にも大いに貢献します。
こうしたエンジンオイルにかんする日本独自の規格を採用するに至った要因としては、 環境問題のみならず、日本の高いエンジン開発技術を採用するゆえに 発生するエンジン部品の摩耗を低減するための配慮もあります。

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